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1万円以下で、長く使える。そして美しい|Lyviが降ろさなかった三つの条件

1万円以下で、長く使える。そして美しい|Lyviが降ろさなかった三つの条件

アクセサリーを選ぶとき、私たちは知らないうちに何かを諦めています。手の届く価格を選べば、数か月で色が変わる。長く使えるものを選べば、価格が上がる。デザインを優先すれば、肌との相性は後回しになる。

Lyviは、この三つを同時に成立させることから設計を始めました。1万円以下で、長く使えて、美しい。どれも降ろさない。その代わりに、選ばなかったものがあります。

価格の上限を、先に決めた

Lyviのピアスとヘアアクセサリーは、すべて1万円以下。これは結果として収まった数字ではなく、設計の出発点にある条件です。

毎日つけるものだから。1万円を超えると、アクセサリーは「特別な日のもの」の棚に移ります。そこに置かれたものは、気づけば数か月使われないまま引き出しの奥にある。日常の側に居続けてほしいから、価格には先に天井を決めました。

上限を先に決めると、否応なく向き合うことになります。限られた原価を、どこに置くのか。何に払い、何に払わないのか。Lyviの設計思想は、その判断の積み重ねでできています。

「安いから使い捨て」という前提を断つ

低価格帯のアクセサリーが短命に終わるのは、価格そのものが理由ではありません。多くの場合、原因は表面にあります。薄い被膜は日常の摩耗で削れ、下地が現れれば色が変わる。そこから先は、もう戻せません。

だからLyviは、原価の多くを厚膜コーティング(Luminous Layer)に置きました。層を厚く重ねることで、擦れと変色に強くなる。見えない部分ですが、そのジュエリーが何年もつかを決めるのはここです。

欧州規格(EN1811)準拠でニッケルの溶出を抑えた設計に。EUの規則では、穿孔部に挿入する製品のニッケル溶出量は0.2µg/cm²/週未満と定められています。この基準を、日本で売る製品の前提にしました。

耳に通すポストは、キャッチ付きのデザインには316Lステンレスを使用し、キャッチを使わないデザインでは本体と同じ真鍮に厚膜コーティングを施しています。

シルバー925を、使わない

ライトジュエリーの世界では、シルバー925が標準になっています。「銀だから安心」「銀だから価値がある」という前提が、業界にも買う人にも共有されている。Lyviはこの前提を採りませんでした。

銀は、変色する金属である

銀は大気中のごく微量な硫化水素や亜硫酸ガスと反応し、硫化銀(Ag₂S)をつくります。最初は黄色がかった薄い膜、それが厚くなるにつれて黒へ。紫外線はこの反応を促進します。つまり銀の黒ずみは、扱いが悪いから起きるのではなく、銀そのものの性質です。

多くの925製品は、メッキされている

変色と傷を避けるため、シルバー925のジュエリーにはロジウムメッキがかけられることが一般的です。ロジウムは500〜650HVという高い硬度を持ち、銀をよく守ります。

ここに、Lyviが引っかかった点があります。メッキに守られている間、肌が触れているのはロジウムであって、銀ではない。見えている光沢もロジウムのものです。下地が925であることは、着けている間の見え方にも、変色のしにくさにも、直接は効きません。効いてくるのは、メッキが摩耗して下地が現れたとき。そしてそのとき現れるのは、硫化しやすい金属です。

下地に、何を求めるか

Lyviの本体の下地は真鍮です。シルバー925と並べると、次のようになります。

シルバー925 真鍮(Lyviの下地)
地金の位置づけ 貴金属。価格に占める地金代が大きい 銅と亜鉛の合金。地金代は小さい
硬さ(ビッカース) 約60〜100HV 約60〜190HV(加工状態による)
下地が露出したときの変化 硫化して黄色〜黒に変色 酸化して茶色、やがて緑青に変色
着けている間、肌に触れる面 多くはロジウムメッキ 厚膜コーティング

硬さの範囲は重なっていて、どちらかが圧倒的に強いわけではありません。どちらも、露出すれば変色する。つまり下地の金属そのものは、着けている間の体験を決めていない。決めているのは、その上にある層です。

では、925の価格は何に払っているのか。素材としての銀の価値。それは確かに存在します。ただ、メッキを前提とした設計において、その価値が着ける人の体験に返ってくる量は多くない。Lyviはそう判断しました。

だから銀の地金代を価格に乗せる代わりに、そのぶんをコーティングの厚みに回しています。シルバー925を否定しているのではありません。Lyviの作り方では、その価値が活きない。だから選ばなかった、ということです。

美しさは、最後まで削らない

安全と耐久を満たしただけでは、「安心なだけのアクセサリー」になってしまいます。三つ目の条件を降ろさないことが、いちばん難しい。

Lyviの色は、肌に溶け込むNUDY GOLD、静謐なVEIL SILVER、意志を研ぎ澄ますCONTRAST EDITION。パーソナルカラーを問わず素肌になじむように設計しています。デザインは韓国。華美な装飾よりも、肌の質感と顔まわりの印象を引き立てることを重んじる感性から学んでいます。

安心の基準は世界基準で、美しさの感性は肌に寄り添う。飾るのは石ではなく、素肌そのもの。

三つの条件は、どれかひとつを諦めれば簡単に満たせます。降ろさないと決めたから、選ばないものが必要になった。Lyviの価格は、その選択の結果です。

※本記事に記載した金属の物性値は一般的な参考範囲であり、加工状態や合金組成によって変動します。金属アレルギーの症状がある場合は、皮膚科でのご相談をおすすめいたします。